痴漢抑止バッジデザインコンテスト いよいよ結果発表

結果発表

今年は全国126校から581作品の応募がありました。中学・高校10校(422名)が参加した2次審査で12作品を選出後、パネル展示会場とWebで実施した人気投票(435票)による最終審査を経て受賞5作品を決定。12月7日に授賞式を行いました。受賞作は製品化され、2019年春より販売されます。

たくさんのご応募ありがとうございました! 第5回受賞作は3月から発売開始予定です

痴漢抑止バッジ無償配布中!


アドバイザー 斉藤章佳氏
(精神保健福祉士・社会福祉士/大森榎本クリニック精神保健福祉部長)

斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士/大森榎本クリニック精神保健福祉部長)

私は、2019年4月までに2000人を超える性犯罪加害者の治療に関わってきました。 その内、800名の痴漢加害者の認知の歪みをヒアリングした調査から述べると、彼らは女子中高生を主に狙いますが、単に制服を好きだからというわけではありません。制服という記号が従順の象徴だからです。 治療中の方たちに「こういうバッジをつけている人をどう認識するか?」と尋ねたところ、多くの人が「たぶん痴漢をしない」と答えました。彼らは痴漢行為を許してくれそうな人を探しています。そもそも「痴漢は犯罪です」「私たちは泣き寝入りしません」と意志表示している人を避けるという認知のパターンができているわけです。 痴漢抑止バッジをきっかけに少しでも被害が減らせればと願っています。

受賞作品(5点)

最優秀賞(1点)商品化・賞金5万円

「カワいくても許されません」ショタ(宮崎県立佐土原高等学校 産業デザイン科)
最優秀賞「」ショタ(宮崎県立佐土原高等学校 産業デザイン科)

デザインコンセプト

この缶バッジは「カワウソ、カワイイ」というダジャレから生まれたものです。 中央のカワウソがスカートを捲ろうとしていますが、どんな人間でもしていいことと駄目なことがある。ということを伝えることができたらいいなと思っています。は

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢抑止活動については前から知っていましたが、このような形で参加させていただくことができてとても感激です。 痴漢による被害は今や女性だけに留まらず、男性やスマートフォンの機能を使用した痴漢などもたはつしています。 痴漢被害に遭わないため、これ以上痴漢被害を増やさないために、誰でも付けやすい痴漢抑止バッジがもっと広まってくれると嬉しいです。

審査講評
審査委員長 ハヤカワ五味氏(ファッションデザイナー・株式会社ウツワ代表)

審査委員長 ハヤカワ五味氏(株式会社ウツワ 代表取締役)

痴漢を抑止するために加害者にいかにメッセージを伝えるかが大切です。グラフィックだけでは、人によって受け取り方が変わるため「痴漢は犯罪です」の文字がハッキリわかるのは重要です。
スクールバッグは黒やネイビーが多いから、反対色のオレンジ系は目立つのがよいと思いました。可愛いキャラクターでユーザーにも好まれやすく、バッグにつけているイメージがわきます。


優秀賞(2点)商品化・賞金2万円

「NO!!!」ふぇりこ(武蔵野美術大学)
優秀賞「「NO!!!」ふぇりこ(武蔵野美術大学)

デザインコンセプト

仁王立ちの女の子のイラストとNO!!!の文字を用いて、痴漢に対する不満や怒りを表現しました。色数を抑えて全体をシンプルにまとめ、女子中高生が身につけやすいようにイラストや文字を可愛らしい雰囲気にするよう心がけました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢をする側は軽い気持ちでも、被害者の心の傷は中々消えません。この缶バッジが少しでも役に立ち、女性達の心の支えになればと思います。缶バッジなどで自衛せずとも、男女問わず全ての人が安心して過ごすことができる社会になるよう願っています。

「見逃さない」林 秀人(新潟デザイン専門学校 グラフィックデザイン科)
優秀賞
「見逃さない」林 秀人(新潟デザイン専門学校 グラフィックデザイン科)

デザインコンセプト

カメラのレンズを一番目立つ真ん中に置いてタイトルにもあるように見逃さないというメッセージを込めました。 また、カメラは記録に残るので痴漢は許さないと共に痴漢を未然に防ぎたいと思いカメラのレンズを選びました。 カメラのレンズの周りの黄色い円と灰色のラインは警告を表しています。 警告を出すことにより、周りの注意喚起することで最初にも言ったとおり痴漢を未然に防ぎたいと思いこのようなデザインにしました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は、一生の傷になると思うのでデザインコンセプトにもあったように許さない、未然に防ぐことができればいいなと考えています。 また、これからも今回のような痴漢抑止活動に積極的に参加したいなと考えています。

特別審査員賞(審査委員長 ハヤカワ五味賞)(1点)商品化・賞金1万円

「監視カメラの警察官は見逃さない」コモ子(中国デザイン専門学校 デザイン高等課程 基礎デザイン科)
特別審査員賞(審査委員長 ハヤカワ五味賞)「監視カメラの警察官は見逃さない」コモ子(中国デザイン専門学校 デザイン高等課程 基礎デザイン科)

デザインコンセプト

この缶バッジは監視カメラを描くことにより、痴漢行為は他人から見られているということを示し、更に警察官を描く事で痴漢を黙認しないということを表しています。配色はポップで可愛く目立ちやすい色を選んだのでバッジとしても痴漢防止としても使いやすくなっています。

痴漢抑止活動へのメッセージ

電車やバス、通学路など場所や時間を問わずに痴漢の被害に遭い、心に傷を負ったり不快な気持ちにさせられた人が大勢います。今回私が作った缶バッジが近年広がりを見せる痴漢防止活動の一端になり、被害に遭われた方々の力になって痴漢から少しでも守ることが出来れば幸いです。

審査員特別賞(痴漢抑止バッジ考案者 たか子賞)(1点)商品化・賞金1万円

「みんな見てます。」波床 美紀(大阪情報コンピュータ専門学校 メディアデザイン学科)
審査員特別賞(たか子賞)「メッセージ」山口 泉香(宮崎県立佐土原高等学校 産業デザイン科)

デザインコンセプト

人間は視線を感じると、犯罪などのやましい行為はしづらくなるといいます。それを利用し、たくさんの視線を感じるようなデザインにしました。ただの目線だけではなく、軽蔑されていると感じ取れるような表情を意識しました。また、女子中高生がつけやすいようにぶさかわいい雰囲気の動物を用いました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢を軽々しくする人には今一度、迷惑極まりない行為で軽蔑に値するものであると自覚をしてほしいと思います。誰もが不安を抱えることなく生活できるように、痴漢抑止バッジが少しでも力になればと思います。


※賞名の「たか子」は、痴漢抑止バッジ考案者の「たか子」さんです。審査員として参加いたしました

入賞作品

「じー…」岡田 伊織(大阪情報コンピュータ専門学校 メディアデザイン学科)
入賞「じー…」岡田 伊織(大阪情報コンピュータ専門学校 メディアデザイン学科)

デザインコンセプト

"加害者に「目」を意識させることで痴漢抑止に伝わると考えてデザインしました。文言は女子中高生がバッジを抵抗なく付けることができるように小さくしました。 そしてロゴマークの色と作品に使用する色を統一することで、シンプルかつ小さい文言もデザインの一部として全体に溶け込めるように工夫しました。"

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢抑止缶バッジを付けることで周りの目が気になったりと、なかなか積極的に付けることができない方が多いと思います。 しかし自分が被害に遭って辛い思いをする前に『抵抗する勇気』を持っていただきたいです。 なので痴漢抑止缶バッジがその後押しになるように願います。

「ねこもみてる」仲川 美穂(大阪情報コンピュータ専門学校 メディアデザイン学科)
入賞「ねこもみてる」仲川 美穂(大阪情報コンピュータ専門学校 メディアデザイン学科)

デザインコンセプト

"猫は暗いところでもよく見えています。そのイメージから、ねこが大きな目で見ているデザインにしました。 背景は落ち着いた色にして、怖すぎず、可愛すぎない、シンプルなデザインを心がけました。 女子高生だけではなく、多くの人がつけやすいようにデザインにすることを意識しました。"

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は今も無くなることはなく、心を痛めている人がたくさんいると思います。 この缶バッジをつけることで意思表示をし、少しでも痴漢が減ることを願います。

「触ったら…」笠島優果(町田デザイン専門学校 グラフィックデザイン科)
入賞「触ったら…」笠島優果(町田デザイン専門学校 グラフィックデザイン科)

デザインコンセプト

筋肉マッチョなうさぎが怒って拳を上げているイラストを使用しました。うさぎは見た目は可愛いし弱そうですが、内心は怒っていて痴漢を絶対に許さないという意味を込めています。うさぎがモチーフだと女子高生でも身につけやすいかなと思い、うさぎを使用しました。背景を警戒色の黄色にし、目立つようにしました。一見ポップなデザインですが、たくさんの意味を込めています。

痴漢抑止活動へのメッセージ

この缶バッチを通して痴漢抑止活動を知ってくれたり、興味を持ってもらえたら嬉しいです。少しでも痴漢によって嫌な思いをする人が減ることを祈っています。

「恐怖心は突然に」いよ。(北海道芸術デザイン専門学校 イラストレーション専攻)
入賞「恐怖心は突然に」いよ。(北海道芸術デザイン専門学校 イラストレーション専攻)

デザインコンセプト

痴漢は突然にやってきます。振り向けばそこに人がいるがという恐怖心、何も分からず知らない人に触れられるという緊張感。色から受ける感情効果を用いて緊張感を黄色、恐怖心を暗い色やマゼンタ色を使いました。このデザインには女の子が抱く痴漢に対する恐怖と緊張を表現しました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は立な犯罪です。女の子たちがより良く安心して交通機関が使えるようこれからの世の中から痴漢行為は減ってくれることを願っています。私も自分から進んで助けてあげたり、少しでも痴漢行為が減ってくれるよう行動を心がけたいと思います。

「自分から行動を」読(北海道芸術デザイン専門学校 産業デザイン学科イラストレーション専攻)
入賞「自分から行動を」読(北海道芸術デザイン専門学校 産業デザイン学科イラストレーション専攻)

デザインコンセプト

自分の身は自分で守る。そんな強い女の子をイメージしました。目線にこだわって訴えかけるようにしました。身に着けやすいことも大事ですが、相手の目につかなければ意味がないので目立つ配色を意識しました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は大きくとりあげられることは少ないけれど、このような活動で勇気をもらえる女性はたくさんいると思います。私のデザインしたバッジで少しでも力になれたら嬉しいです。

「声高に叫べ!」イユル(東日本デザイン&コンピュータ専門学校 デザイン学科/イラスト専攻)
入賞「声高に叫べ!」イユル(東日本デザイン&コンピュータ専門学校 デザイン学科/イラスト専攻

デザインコンセプト

実際に言えずとも、もう1人の自分として声を上げてくれる存在になって欲しいという思いを込めました。目立つ様に膨張色である赤を広範囲に使用し、拡声器を持たせて屈しないという強い意志を表現しました。ドット柄をメインにしたポップで可愛いデザインに仕上げた事で、身に付ける事に抵抗が無い様に工夫しました。この缶バッジをつける事によって少しでも自信・勇気が出て、背中を押してもらえる存在になって欲しいです。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢の理由の一つとしてストレス解消があると聞きます。どんな理由でも、ましてやそんな軽い気持ちの行為で、心に深い傷を負う人がいるのは決して許される事ではありません。痴漢行為が少しでも減る様に、様々な角度から対策をとる事の重要性をもっと多くの人に伝えるべきです。小さな勇気、小さな行動でも構いません。その一歩が未来を大きく変える行動になります。共に立ち向かっていきましょう。

「手錠からの監視」小林三恵(新潟デザイン専門学校 グラフィックデザイン科)
入賞「手錠からの監視」小林三恵(新潟デザイン専門学校 グラフィックデザイン科)

デザインコンセプト

実手錠の中に目を置くことで、常に誰かが見ていて必ず捕まるという意味を込めました。 瞳を大きくして私達は弱くないんだというメッセージを込め力強い目になるようにしました。 また、特に見てほしい手錠と犯罪の文字に赤い線をつけすっと目に入りやすくなるようにして緊張感と重要性をだしました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

この缶バッジ作成を通じて痴漢にあっても声に出せない人が沢山いる事を改めて知りました。 この活動によって被害にあう人が少なくなり、缶バッジが少しでも誰かの力になってほしいという気持ちで作りました。 缶バッジをつけることで電車に乗りやすくなり勇気が出たらいいなと思います。