たか子賞(痴漢抑止バッジ考案者 殿岡たか子)(1点)製品化・賞金1万円
- 「見てマス。」Ann(熊本デザイン専門学校)
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デザインコンセプト
この作品は、「見てます」と魚の「マス」をかけたデザインです。デフォルメされた可愛いマスが、無言の圧力をかけるような表情で見つめています。「見てマス」という言葉と共に、視覚的なインパクトを強調し、威圧感を与えるデザインに仕上げました。また、全体のディティールをシンプルに抑え、どなたでも使いやすい缶バッチとなっています。
痴漢抑止活動へのメッセージ
痴漢の被害を声に出すことは、とても勇気が必要です。この缶バッジを通じて、被害者が少しでも安心して日常を過ごせるよう、また痴漢行為を抑止するきっかけになればと思います。皆が安全な環境で過ごせる社会を目指し、この活動が少しでも貢献できることを願っています。
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殿岡たか子(痴漢抑止バッジ考案者)より
10年前、高校生だった私は、自分ひとりで手作りの痴漢抑止バッジを付けていました。それが、コンテストを通じデザイン応募や審査員で延べ16,000人以上の方々が一緒に痴漢問題について考えるきっかけになったことに、本当に感謝しています。第1回のコンテストのときには、まさかこんな未来が来るなんて思いもしませんでした。たくさんの方々に支えられて、活動が広がっていることがとても嬉しいです。
これまでのコンテストで生まれた数々の素晴らしいデザインによって、救われた人もきっと大勢いると思います。それが自分だけのことではなく、多くの人に広がっていることが、本当に嬉しいです。まだこのバッジが届いていない人たちのためにも、これからも輪を広げていきたいと思います。
そして「たか子賞」に選ばれた作品についてですが、まずおもしろくて可愛らしいデザインで、つけやすそうなところが魅力です!特に、デザインの中のマスの目力が印象的で、実際につけたら効果が期待できそうだなと思いました。個人的にもすごく気に入っていますし、早く自分でもつけてみたいです!(笑)
※賞名の「たか子」は、痴漢抑止バッジ考案者の「たか子」さんです。審査員として参加いたしました
審査の過程を見ている時から、個人的に4人が手をあげている「宣誓」がいいなと思っていました。理由としては、意思を主張しているのが伝わってくるデザインだということ。昨年、東京都で実施された「痴漢被害実態把握調査」でも、痴漢の現場で第三者が介入した場合結果9割が痴漢行為を止めるという結果がでています。痴漢犯罪は被害者と加害者だけの問題ではなく、痴漢しているとか怪しい行動に気づいた方がどういうアクションを取るのが非常に大事です。デザインで第三者介入を伝えるのは難しいと思いますが、その点をクリアしていると感じました。
このコンテストには、例年3~4割の男子学生が参加しています。痴漢犯罪の解決には、男性自身が当事者性を持つことが大切です。もちろん、男性が被害者になることもありますが、その場合でも加害者が男性のケースが多いです。女性に痴漢行為をするのは、主に男性です。
痴漢犯罪は男性の問題であり、コンテストを通じて、若い男性の当事者としての認識を変えていけると感じています。そして、10年間で、デザインの応募と審査に16,600人以上が関わってたのは、非常に大きな成果です。
10年前は、まだ痴漢が性暴力だという認識すらほとんどありませんでした。「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」の継続は、社会の認識を変え、男性の当事者性を変えていく大きなアクションだと私は考えています。