痴漢抑止バッジデザインコンテスト いよいよ結果発表

結果発表

たくさんのご応募ありがとうございました!今年は全国148校から1014作品の応募がありました。中学・高校生を中心に851名が参加した審査を経て受賞5作品を決定。受賞作は製品化され、2026年春より無料配布されます。【配布サイト】


アドバイザー 斉藤章佳氏
(精神保健福祉士・社会福祉士/西川口榎本クリニック副院長)

斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士/大船榎本クリニック精神保健福祉部長)

最優秀賞の「痴漢、見てるよ。」は、インパクトのあるデザインだと感じた。被害当事者になりやすい女の子たちの怒りが力強く伝わってくる。なおかつ、つけやすいデザインにまとめている点が秀逸だと思う。

たかこ賞の「I LOVE me」は、これまでの痴漢抑止バッジとは発想の出発点が大きく違う。これまで多くの被害経験者は「自分が声をあげずに我慢すれば、大騒ぎにならない」と自己犠牲的に考え口を閉ざしていた。それは、日本社会の男尊女卑的な側面と相互作用が根底にあった。

しかし「I LOVE me」には、自分を大切にする思いが出発点にある。自分自身が大切だから、痴漢を許さない。これまでにないメッセージで、痴漢抑止を訴えている点が新しく印象的だ。

先日、搭乗した飛行機で痴漢事件が起きた。搭乗時に酔った高齢男性が、隣の席に座ろうとした若い女性のお尻を触ったのだ。

女性は近くにいた客室乗務員に被害を訴え、席の移動を申し出た。客室乗務員は女性を別の席に案内し、加害者は機長判断で飛行機から降ろされた。

自分が声をあげることで離陸予定時刻が遅れ、多くの乗客に影響を与える可能性がある中で、被害を受けた方は毅然とした対応をとられた。

電車内の痴漢も「自分が我慢すれば、丸く収まる」と考えて我慢してしまう人が多いだろう。それにより加害者が透明化され、同様の被害が続いていく。多くの女性は、痴漢被害の経験があるけれど「この状況は変わらない」と、誤った学習をしている。

そうした絶望が、声を上げにくい社会を作ってきた。

しかし、今、社会は変わりつつある。「I LOVE me」を胸に被害を訴える被害者が増えている。一人一人が声をあげていくことで、痴漢が性暴力であり許されない行為だと社会が認識するようになるだろう。

審査講評
審査委員長 山本千春(合同会社 Cloud Creative 代表、第4回痴漢抑止バッジデザインコンテスト最優秀賞)

審査委員長 山本千春(合同会社 Cloud Creative 代表、第4回痴漢抑止バッジデザインコンテスト最優秀賞)

今回、初めて審査委員長という貴重な役割を務めさせていただきました。 応募されたすべてのバッジから、制作者一人ひとりが強い思いを込めて制作されたことが伝わり、どれも大変素晴らしい作品でした。

審査委員長賞に選出した「警告」は、文字組やレイアウトが丁寧に設計されており、「警告」という言葉が一目で伝わる点が非常に印象的でした。 また、身につける側が“警告する意思”を示しつつも、抵抗なく着用できるデザインであることも高く評価し、選出に至りました。

製品化されるデザインはいずれもクオリティが高く、抑止のためだけでなく、身につけることで気持ちが前向きになり、可愛らしさも感じられるものになっていると思います。 これらのバッジが多くの人に身につけられ、痴漢が決して許されない社会へとつながっていくことを心から願っています。

受賞作品(5点)

最優秀賞(1点)製品化・賞金5万円

「痴漢、見てるよ。」小林 蕗子(町田デザイン&建築専門学校 グラフィックデザイン科)
「痴漢、見てるよ。」makayo(町田デザイン&建築専門学校 グラフィックデザイン科)

デザインコンセプト

痴漢には声をあげられなさそうな人が狙われやすいため、強く睨む女の子の目をモチーフにしました。被害者の泣き寝入りしないという強い意思と、抑止となる周囲の目も表現しています。
目が印象的になるように鮮やかなピンクを用いて、吊り上がった目で怒りを強調しています。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は、被害者が声を上げにくいことを逆手に取って行われる卑劣な行為です。このバッジを通して、被害を受けた人が「泣き寝入りしない」という意思を持てるように。そして加害を未然に防ぐ“目”となるように。誰もが安心して交通機関を利用できる社会になるよう、そしてこの活動が必要なくなる日を願っています。

優秀賞(2点)製品化・賞金2万円

「伸びるその手に猫パンチ!」今村百花(都立工芸高校 グラフィックアーツ科)
「伸びるその手に猫パンチ!」今村百花(都立工芸高校 グラフィックアーツ科)

デザインコンセプト

猫の力強いパンチで加害者を成敗する様子を表現しました。黒猫が守護神のように危険から身を守ってくれるようにという願いを込めています。鋭い眼光で睨みつけるという意味で目も大きくデザインしました。身に付けやすいように可愛らしいテイストで描きました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢犯罪は、私たちのすぐそばでいつ起きてもおかしくない身近な犯罪だと知りました。このプロジェクトを通して一人でも多くの人が安心して生活できるようになることを願います。このバッジが誰かのお守りとして安心できる要素になったらいいなと思いました。

「警告」アリス(星の杜中学校)
「警告」アリス(星の杜中学校)

デザインコンセプト

痴漢をしてくる相手に『警告』を、というのをテーマに字は見やすく分かりやすいように配置をしました。色は相手に危機感を感じさせられるような黄色、赤、黒を主に使うなどの工夫をしました。また、デザインもシンプルさを求め、男女関係なくつけてもらえるように改善を図りました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢抑止という社会的課題に、微力ながら関われることを光栄に思います。バッチ制作の際、痴漢犯罪からなる被害の酷さをネットを通して改めて実感しました。
皆さまの活動が痴漢犯罪を減少させ、多くの安心に繋がりますよう心から祈り、応援しています。これからも頑張ってください。

審査員長賞(審査委員長 山本千春賞)(1点)製品化・賞金1万円

「警告」冨樫(開志専門職大学 アニメ・マンガ学部)
「警告」冨樫(開志専門職大学 アニメ・マンガ学部)

デザインコンセプト

この缶バッジが目に止まった瞬間に『警告』という文字が真っ先に目に入り、その後の視線誘導で『何の警告か』が知りたくなるデザインにしてみました。また、被害者は男女関係ないため「目」のデザインはシンプルに真っ直ぐを見つめるようなデザインさせていただきました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

過去実際に痴漢に遭遇したことがあり、何も言えず家に帰ってやり場のない悲しみと怒りに襲われ悔しい思いをしました。このような活動を知れた事とこうした経験をもとに抑止活動に関わることができる機会をいただきありがとうございます。少しでも被害に遭う方が減ることを祈っています。

たか子賞(痴漢抑止バッジ考案者 殿岡たか子)(1点)製品化・賞金1万円

「I l o v e m e」MariaIsa(アルデザインカンパニー デジラボ グラフィックデザイン・DTPエディトリアルデザイン科)
「I l o v e m e」MariaIsa(アルデザインカンパニー デジラボ グラフィックデザイン・DTPエディトリアルデザイン科)

デザインコンセプト

痴漢抑止について考えたときに、まずは何より自分を大切に、自分を愛してほしいと思いました。被害者にならないためにできること、加害者にならないためにできること、それは自分を愛し、大切にすることから始まる気がします。ネガティブな気持ちではなく、明るく前向きなメッセージとして届けられたら嬉しいです。

痴漢抑止活動へのメッセージ

「私たちは泣き寝入りしません」というメッセージにある「私たち」は、被害者やその周り、そして女性だけのことではありません。社会全体として、ひとりでも多くの方が痴漢抑止バッジの活動を通してこの問題に目を向けてくださることを願います。
私も社会の一員として、この活動を応援しています。

殿岡たか子(痴漢抑止バッジ考案者)より

「I LOVE me」は、痴漢被害に遭っていると忘れてしまいがちな「自分を大切にしていい」という当たり前のことを思い出させてくれるデザインです。私自身もこのデザインを拝見して、ハッとしました。
一見、普通のオシャレなバッジと思いきや、加害者に対しては「自分のことが大切だから被害に遭いたくない」という意思表示ができる素晴らしいデザインだと思います。


※賞名の「たか子」は、痴漢抑止バッジ考案者の「たか子」さんです。審査員として参加いたしました

入賞作品

「必ず誰かの目に止まる」黒戌ノ春(山本学園情報文化専門学校専門 専門課程)
「必ず誰かの目に止まる」黒戌ノ春(山本学園情報文化専門学校専門 専門課程)

デザインコンセプト

電車の中でも街中でも、「犯罪行為は見られている」というメッセージを強く伝え、「必ず誰かが」というコンセプトがわかりやすいよう、異質で大きな目の人を複数人配置しました。そして警戒色を使うことで、遠くから見てもわかりやすく、より注意喚起を促せるような配色を心がけました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

私は実際に痴漢を見たことも、されたこともないので、どれほど恐ろしいものかを知りません。それでも、普段テレビで痴漢の情報を見聞きする度に、不安と苛立ちを感じる私が、今回この様な機会をいただくことで、痴漢抑止活動のお手伝いができ大変うれしいです。痴漢被害が減り、誰も怖い思いをされませんように。

「にゃんこポリス」沖津佑紀(同志社女子大学)
「にゃんこポリス」沖津佑紀(同志社女子大学)

デザインコンセプト

警察の帽子を被った猫が牙と爪を出して痴漢の加害者を威嚇するイメージで制作しました。怖さによる抑止効果と可愛さによる身につけやすさの両方を兼ね備えたデザインになるように心がけました。背景は明るく派手な色にして目に留まりやすいように工夫しました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は絶対に許されない犯罪です。加害者にとっては一瞬のことでも被害者にとっては一生物のトラウマになる可能性もあります。痴漢抑止バッジによって痴漢の被害に苦しむ人が少しでも減り、みんなが安心して過ごせる社会になることを願っています。

「触るな、貴様!」YUZU(神奈川県立小田原城北工業高等学校 デザイン科)
「触るな、貴様!」YUZU(神奈川県立小田原城北工業高等学校 デザイン科)

デザインコンセプト

般若は鬼女の面で見た人が怯えるほど凄まじいオーラが出ているため、この缶バッジの題材にしました。追加文語の「触るな貴様!!」は加害者に対する執念や憎悪などという感情を込めました。誰もが身につけやすいポップなイメージになるように、頭に大きいリボンを描きました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は人の心を傷つける卑劣な犯罪行為だと思います。
過去に自分の母が電車で痴漢に遭ったという話を聞いて怒りを感じたので、自分が作成した缶バッジを老若男女問わず身につけてもらうことで、少しでも痴漢やわいせつに関する事件が減ってほしいことを願っています。

「アタシは見逃さない」林 心晴(岡山情報ITクリエイター専門学校 Web・グラフィックデザインコース)
「アタシは見逃さない」林 心晴(岡山情報ITクリエイター専門学校 Web・グラフィックデザインコース)

デザインコンセプト

「誰でも気軽に身につけられて、なおかつ加害者への牽制となるデザインをー」そんな思いから制作しました。
メイクをした女性の大きな目は、ぱっちりと可愛らしくも、しっかりと相手を見据えるような強い眼差しを意識しています。

痴漢抑止活動へのメッセージ

私も過去に痴漢被害に遭った経験があるのですが、咄嗟に声を出せませんでした。だからこそ「つけるだけで抑止になる」このバッジは、とても心強く感じます。
この活動が広まり、安心して過ごせる方が増えることを願っています。

「わんこ警察」田中千春(大阪情報コンピュータ専門学校 メディアクリエイト学科コミックアート専攻)
「わんこ警察」田中千春(大阪情報コンピュータ専門学校 メディアクリエイト学科コミックアート専攻)

デザインコンセプト

女性が普段からバッグにつけて持ち歩きしやすくなるように、可愛くて落ち着いたデザインにしました。犯罪者から守ってくれるように「番犬」や「犬のおまわりさん」をイメージしてキャラクターを描きました。色は何にでも合いやすいベージュ寄りの茶系でまとめました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

今回缶バッジデザインの応募をするにあたってこのような活動があることを知りました。痴漢犯罪者は被害にあっても怖くて声が出せないような人を選んで痴漢行為に及ぶと知り、缶バッジをつけることで声を出さなくても犯罪を未然に防ぐことができるように少しでも力になれば嬉しいです。

「見られる意識」こおり(名古屋モード学園)
「見られる意識」こおり(名古屋モード学園)

デザインコンセプト

「どうせバレない」という思い込みから痴漢をする人に対して、ドキッとさせるようなデザインを考えました。自分が犯した罪は何かしらの形で必ず自分に帰って来ると思うので、痴漢は犯罪だという認識とともに、誰かに「常に見られている」という意識を芽生えさせられるようなものにしました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

世の中で自分自身に全く関係ない問題は無い、という思いのもと、このデザインを考えさせて頂きました。実際に痴漢という犯罪行為は存在してしまうし、誰にでも関係してしまう行為でもあるので、被害者に対しても、加害者に対しても、少しでも増えることのないようにと願っています。

「見てるよ、あなたを。」あゆ(淑徳与野中学校)
「見てるよ、あなたを。」あゆ(淑徳与野中学校)

デザインコンセプト

瞳に浮かぶ「STOP」は、加害者への無言の警告。黒背景に白文字が強調され、誰もが身につけやすいシンプルな構成。視線が持つ心理的圧力を可視化し、見られている意識が痴漢行為の抑止力になることを力強く訴えます。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は犯罪です。沈黙は選択ではなく、強いられたもの。このバッジには、「あなたはひとりじゃない」という思いを込めました。加害者への抑止力になるだけでなく、被害者が「声を上げてもいいんだ」と思えるきっかけになってほしい。みんなが見守り、支え合える社会を目指して、私はこの活動に参加しています。

1次通過者

坂夏希さん、うなぎねこさん、古徳 ちひろさん、たかはしえりさん、小林ひかるさん、UNOさん(アルデザインカンパニー デジラボ)/岡本睦菜さん(愛知県立芸術大学)/中田 嘉恩さん(安田女子大学)/りほさん、横川夏帆さん(岡山情報ITクリエイター専門学校)/金田彩翔さん、白亜紀さん(金沢情報ITクリエイター専門学校)/向井葵來さん(穴吹ビジネス専門学校)/こまつさん(公立はこだて未来大学)/はるさん(好文学園女子高等学校)/大越 美結さん(広島情報ITクリエイター専門学校)/ハルカさん(国際電子ビジネス専門学校)/べにさん(札幌市立大学)/味付けのりをさん、灰滝さん(山本学園情報文化専門学校)/田中D子さん(女子美術大学)/佐野愛里さん(沼津情報・ビジネス専門学校)/紅林真奈さん(常葉大学附属菊川高等学校)/青木美春さん、津田心香さん、あるちょこさん(神奈川県立小田原城北工業高等学校)/まよさん、雪田次郎さん、深澤 椿さん、太田心来さん(専門学校文化デザイナー学院)/高場真琴さん(倉敷芸術科学大学)/山之内陽菜さん、里咲さん(町田デザイン&建築専門学校)/西松歩実さん、坂本由希子さん、加藤璃子さん(東京都立工芸高等学校)/坪田寛菜さん(福井情報ITクリエイター専門学校)/谷村柊羽さん(北海道芸術デザイン専門学校)/濱田 栞さん、中竹朔弥さん、今村ほのかさん、白石さん、宮本悠加さん、麻生情報ビジネス専門学校 北九州校)/シュウセイさん(名古屋モード学園)/なー。さん、伊藤きおらさん(名城大学附属高等学校)