痴漢抑止バッジデザインコンテスト いよいよ結果発表

結果発表

たくさんのご応募ありがとうございました!今年は全国152校から1292作品の応募がありました。中学高校生を中心に1838名が参加した審査を経て受賞5作品を決定。受賞作は製品化され、2023年春より配布されます。

結果発表はこちら 受賞作品無償配布中!


アドバイザー 斉藤章佳氏
(精神保健福祉士・社会福祉士/大森榎本クリニック精神保健福祉部長)

斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士/大船榎本クリニック精神保健福祉部長)

今年もインパクトがあるデザインが、最優秀賞に選ばれました。痴漢抑止バッジには「泣き寝入りしません」と明確に書いてあるのが、とても大きな意味があります。海外の女性は「自国でも痴漢行為は時々ある。もし痴漢されたら、その場で引っぱたくから、日本ほどは痴漢が横行していない」と言っていました。他人の身体を無許可で触ることは許されないという意識が、日本より高いのです。

日本の場合は「声をあげたら電車が止まって、周囲に迷惑をかけてしまう」「被害を訴えて、逆に加害者から罵声をあびるのが怖い」と考えてアクションを起こせない被害者が大勢います。

そして、被害者が抵抗したり声をあげないのを「痴漢されて喜んでいるのだ」と自分に都合よく解釈する痴漢常習者もいるのが実情です。

最優秀賞のデザインは、スマホに映った女子高生の表情が加害者に対して「痴漢行為を望んでいない」と明確に拒絶の視線を送っています。同時に加害者の行為を見張っているという意味も含んでいる点が秀逸だと感じました。

審査講評
審査委員長 神崎 遥(デザイナー:第2回痴漢抑止バッジデザインコンテスト最優秀賞)

審査委員長 神崎 遥(デザイナー:第2回痴漢抑止バッジデザインコンテスト最優秀賞)

痴漢に対する各自の知識や考えが深まり、メッセージの多様化は進んでいる一方で、しっかりとデザインされているものとそうでないものの差を感じました。今回受賞された方々は、力強いメッセージを直感的に感じられるものを制作されていて素晴らしいと考えています。

良いメッセージを考えたとしても、それが一瞬で相手に伝わらなければ缶バッジにおいては意味がなく、もう一段階踏み込んでデザインする必要があるのではないかと思います。

また、毎年、身に付けたくなるデザイン、効果がありそうなデザイン…、と色々考えているのですが、まずは付けてもらうことが先決かと思います。人に聞くのが難しければ、女子学生の間で何が流行っていて何が好きなのかなど観察してみてください。コンペに出すということも重要ですが、せっかく考えたデザインなので学生が付けているところまで想像して大切にしてほしいなと思います。

受賞作品(5点)

最優秀賞(1点)製品化・賞金5万円

「制する視線」よよ(新潟デザイン専門学校 グラフィックデザイン科)
「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

「このバッジの持ち主の背後で、このバッジを視認する」ことを想定し、背を向けて端末を見る人が実際は液晶を反射させこちらを見つめている姿を描きました。リアルタイムの現実とバッジの状況が重なった上で目にした人をドッキリさせるためです。強かな眼差しを引き立たせました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢という下劣な犯罪行為によって、本来負う必要のなかった傷を負ったまま暮らしていく誰かの存在に目を瞑らないでください。それが赤の他人であっても、君の知らない誰かを傷つけた人を許さないでください。このバッジが抑止力として機能し、誰かの身を守るよう心より祈ります。

優秀賞(2点)製品化・賞金2万円

「STOP!痴漢」木村燦汰(HAL名古屋 ゲームデザイン科)
優秀賞「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

痴漢を未然に防ぐために、警告色の「黄色」と「黒色」を使って、一目でわかりやすいデザインにしました。目立ちやすさ、伝わりやすさを重視し、さらに誰でも気軽に付けやすいシンプルなデザインにしました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

今回のバッジ制作を機会に痴漢の実態を知ることができました。このプロジェクトが痴漢抑止に繋がり、痴漢という犯罪を重く受け止め意識することで、みんなが生活しやすい社会を作っていけたらと思います。

「見られていますょ」かっきー(神戸村野工業高校 情報技術科)
優秀賞「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

高校生になり電車通学して、車内でもホームでも携帯電話を手にしている人の多さにビックリしました。 その携帯電話のカメラで撮られている(見られている)かもと思う事で、痴漢防止の啓発に繋がるのではと考えました。 又、レンズにハートとホシを入れ可愛らしく表現しています。

痴漢抑止活動へのメッセージ

このような活動が有る事、男子も被害に有っていること、など知らない事ばかりでした。 この活動がもっと沢山の人に伝わり、活動を通じて犯罪を未然に防ぎ、嫌な思いをする人が減る事を願っています。

特別審査員賞(審査委員長 神崎 遥賞)(1点)製品化・賞金1万円

「目」森本こころ (ルネサンス デザイン・美容専門学校 イラストレーション科)
特別審査員賞(審査委員長 神崎 遥賞)「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

被害者と目撃者、両方を表現したいと思い、痴漢を受けても抵抗する被害者の目、見られてると思わせる目撃者の目、両方を感じ取れるデザインにしました。色は注目させる黄色、怒りの意味を持つ赤色の線を描き、目の中にある密かな怒りを表現して強い意志を表現しました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は消せることができない傷を負わせる、絶対に許してはいけない犯罪行為です。男性も女性も同じです。加害者になる前にこのバッチを見てしっかり考えてほしいです。

審査員特別賞(痴漢抑止バッジ考案者 たか子賞)(1点)製品化・賞金1万円

「メンダコポリス」野澤 七海(ルネサンス デザイン・美容専門学校 イラストレーション科)
審査員特別賞(たか子賞)「メンダコポリス」野澤 七海(ルネサンス デザイン・美容専門学校 イラストレーション科)

デザインコンセプト

カバンなどにつけやすい、シンプルなデザインを目指しました。ゆるい見た目のキャラクターですが、警官帽と目を吊り上げた顔、STOPの文字で注意喚起ができるようにしました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

「起こってから対応する」のではなく、「未然に防ぐ」という活動が良いと思いました。痴漢犯罪が起こりにくい環境を作っていくという事が大事だと感じます。


※賞名の「たか子」は、痴漢抑止バッジ考案者の「たか子」さんです。審査員として参加いたしました

入賞作品

「痴漢は犯罪だにゃ!」加藤優季深(ルネサンス デザイン・美容専門学校 イラストレーション科)
入賞「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

猫の目力とともに、いつどこで見ているかわからない静かにたたずんでいる猫が痴漢を監視しているようにデザインしました。バッジのインパクトも欲しいと思ったので目立ちやすくするために黄色と青で補色にしました。気軽にバッグ等にもつけやすいようにかわいく、アートチックに描きました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢を抑止するバッジをつけることによって、つけた本人による効果があったという人が90%以上いるというデータを見て、バッジはキーホルダー感覚で誰もが持っているバッグやリュックに気軽につけれるものでこんなにも効果が得られているのはとてもすごいと思いました。

「見てるぞ。」藤川はな(熊本県立岱志高等学校 美術工芸コース)
入賞「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

監視カメラのレンズ部分を目にすることで「必ず誰かがその行 動を見てるぞ。」という意味を込めました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

バッジで痴漢を防ぎ、世の中の痴漢被害に遭って怖 い思いをする方が減って欲しいです。この活動に少しでも貢献できればと思い応募さ せて頂きました。

「私の声はとてもでかい」松野 実穂(DiGiTAL LABoRAToRY DEGiLABo)
入賞「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

今まさに犯罪に手を染めようとしている人に対して、一発でその手を止めさせられる缶バッチを作りました。"声がでかい"ことを提示することで、「この子は痴漢したらまずいな」と思わせる事が出来ます。この缶バッチが、つける人に少しでも痴漢という恐怖から解放されるような、安心感を与えられるようなものになれば嬉しいです。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢防止活動というものがある時点で、痴漢の被害にあったことがある、今もなお性被害で辛い思いをしてる人がいるという事実がとても悲しいです。このコンテストを通して痴漢被害を防止する、そしてすでに辛い思いをされた方に対して少しでも不安を拭えるようなものになれば幸いです。痴漢被害が0になること、この痴漢防止活動がなくなることを強く願っています。

「触った瞬間、即逮捕」イズハラカノ(HAL名古屋 CG・デザイン・アニメ学科)
入賞「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

触ると危険(逮捕される)、触らせないというメッセージを伝えたかったので、かわいらしい見た目だけど鋭い針を背中に持つハリネズミの警察官のデザインにしました。また男女問わず身に着けられやすいようにメインカラーを水色にしました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

私自身も痴漢にあったことがあるのですが、とっさのことで声がでず、恐怖と憤りを感じたことを覚えています。被害者ももちろんですが、痴漢で大切な人生を棒に振ってしまう加害者も減らすことができるよう痴漢抑止の活動が広まり、痴漢を無くしてくれることを心から祈っています。

「こちらを見るサメ」富高陽翔(HAL名古屋 デザイン学科)
入賞「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

キャラクターを可愛らしく描いた事で女性を中心につけやすいデザインにしました。複数のキャラクターを作ることでたくさんの人が見ていることを表現しました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

男女問わず痴漢の被害にあった方々のためにもこれからの活動も頑張ってほしいです。また、この活動を応援していきます。

「絶対、許さないからね!」道下円香(富山クリエイティブ専門学校 デザイン学科)
入賞「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

自分が缶バッチを選ぶ際、直接的な表現のものはかえって付けにくいだろうと思い、誰でも気軽に付けられるようなデザインに仕上げました。ただかわいいだけでなく目を引くビビットな配色と、女の子の「絶対許さない」という強い意志を感じさせる表情を意識して制作しました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

制作するにあたって痴漢犯罪について調べたところ、想像以上に多くの被害者がいて、今もなお苦しんでいる方がいることを知りました。痴漢は絶対に許してはならない卑劣な行為です。私がデザインしたバッチを通じて少しでも痴漢抑止活動に貢献できたら幸いです。

「僕たちが守る」ななせうゆ(学校法人東京町田学園 町田デザイン&建築専門学校 イラストレーション科)
入賞「タイトル」デザイナ(学校 学科)

デザインコンセプト

ゆるかわいいペンギンと落ち着いた配色で男女問わず誰でも付けやすいデザインにしました。イラストやフォントもゆるく可愛いテイストですが、手錠やスマホなどで痴漢は見逃さないという意思を表現しました。

痴漢抑止活動へのメッセージ

痴漢は絶対に許される行為ではありません。相手が男でも女でもどんな格好をしていても許されません。その行為で被害者は深く傷つきトラウマになってしまう事もあると思います。傷つく人が少しでも減るようこういった活動が広まってほしいと思います。

1次通過者

べってぃーさん(HAL大阪)/ツハサさん、出原花野さん、るかさん、ファミグースさん、近藤太智さん、シマさん(HAL名古屋)/あいさん(あいち造形デザイン専門学校)/山下 智子さん、タナカさん(アルデザインカンパニー デジタルラボラトリー デジラボ)/根本七海さん(ルネサンス デザイン・美容専門学校)/リノリノさん(宇都宮文星短期大学)/松原千広さん(岡山情報ビジネス学院)/ぽーさん(近畿大学)/ハルイツキさん(広島情報ITクリエイター専門学校)/丸田寧々さん、関矢千乃さん(新潟デザイン専門学校)/出口花倫さん(神奈川県立小田原城北工業高等学校)/Peng, Hsiao-Liさん(専門学校 東京テクニカルカレッジ)/久野茜さん(専門学校岡山情報ビジネス学院)/omiさん(総合学園ヒューマンアカデミー名古屋校)/セラヲさん(大原情報ITクリエイター専門学校)/ぺんだこぱんださん(大原情報医療保育専門学校和歌山校)/尾西 美桜さん(大阪情報ITクリエイター専門学校)/サクさん、Kintan Maura Karismaさん(大阪情報コンピュータ専門学校)/Mingsusuさん(大阪美術専門学校)/榊原瑞希さん、抹茶アイスさん、春角さん、ponさん、まめさん、らんかさん、田中美波さん、葵香さん、旭 七摘菜さん(町田デザイン&建築専門学校)/まろ羊さん(東京デザインプレックス研究所)/タミオさん(東京学芸大学)/佐々木智教さん(東京大学)/かるさん(東日本デザイン&コンピュータ専門学校)/三國 美徳さん、msさん(東洋美術学校)/イノウエトクマさん(日本工学院八王子専門学校)/御荷物さん(武蔵野美術大学)/のざきようこさん(福岡県立福岡高等技術専門校)/しぐろさん(北海道芸術デザイン専門学校)