最優秀賞(1点)製品化・賞金5万円
- 「制する視線」よよ(新潟デザイン専門学校 グラフィックデザイン科)
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デザインコンセプト
「このバッジの持ち主の背後で、このバッジを視認する」ことを想定し、背を向けて端末を見る人が実際は液晶を反射させこちらを見つめている姿を描きました。リアルタイムの現実とバッジの状況が重なった上で目にした人をドッキリさせるためです。強かな眼差しを引き立たせました。痴漢抑止活動へのメッセージ
痴漢という下劣な犯罪行為によって、本来負う必要のなかった傷を負ったまま暮らしていく誰かの存在に目を瞑らないでください。それが赤の他人であっても、君の知らない誰かを傷つけた人を許さないでください。このバッジが抑止力として機能し、誰かの身を守るよう心より祈ります。
今年もインパクトがあるデザインが、最優秀賞に選ばれました。痴漢抑止バッジには「泣き寝入りしません」と明確に書いてあるのが、とても大きな意味があります。海外の女性は「自国でも痴漢行為は時々ある。もし痴漢されたら、その場で引っぱたくから、日本ほどは痴漢が横行していない」と言っていました。他人の身体を無許可で触ることは許されないという意識が、日本より高いのです。
日本の場合は「声をあげたら電車が止まって、周囲に迷惑をかけてしまう」「被害を訴えて、逆に加害者から罵声をあびるのが怖い」と考えてアクションを起こせない被害者が大勢います。
そして、被害者が抵抗したり声をあげないのを「痴漢されて喜んでいるのだ」と自分に都合よく解釈する痴漢常習者もいるのが実情です。
最優秀賞のデザインは、スマホに映った女子高生の表情が加害者に対して「痴漢行為を望んでいない」と明確に拒絶の視線を送っています。同時に加害者の行為を見張っているという意味も含んでいる点が秀逸だと感じました。